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Yuri
IFBB Bikini PRO
会社員からアスリートへ。43歳で始め、49歳でIFBBビキニプロへ。挑戦する勇気が未来を変える!

食事・トレーニングに続く、第3の柱【睡眠】

こんにちは、Yuriです。

今日はお悩みの多い睡眠について、「睡眠健康指導士」の資格を持つ私がお話しします。競技をする選手にとって、睡眠は単なる休息ではありません。
身体組成の最適化、ホルモンバランスの維持、そして精神的な安定を支える、とても大切な土台です。

しかしながら、寝つきが悪い、途中で目が覚める、眠りが浅い、といった悩みを感じる方も少なくありません。
-18% 睡眠不足時の筋タンパク質合成低下率
+21% コルチゾール(ストレスホルモン)の上昇
-24% テストステロン(筋肉成長ホルモン)の低下

上図は、睡眠不足が身体にどのような変化をもたらすのかを示した数値です。

ボディメイクにおいて「トレーニング」と「食事」が重要なのはもちろんですが、それと同じくらい大切なのが、第3の柱である「睡眠」です。
特に減量期は心身ともにストレスがかかりやすく、どうしても睡眠の質が揺らぎやすい時期でもあります。
だからこそ、睡眠を“整えるべき要素”として捉えることが、コンディションを安定させる大きな鍵になります。

ここからは、睡眠に関しての様々な情報をお伝えします。

睡眠の仕組み:「黄金の90分」を理解する

ただ長く寝ればいい、というわけではありません。限られた減量期間の中で、身体の修復と脂肪燃焼を最大化させるためには、睡眠の“質”とそのメカニズムを理解する必要があります。

鍵を握るのは、入眠直後に訪れる「黄金の時間」です。私たちの脳と身体が、夜の間にどのようなステップを踏んでリカバリーを行っているのかを見ていきましょう。

睡眠サイクルの構造

ノンレム睡眠(深い眠り)

脳が深く眠っている状態。入眠直後のファーストサイクルに最も深いステージが訪れます。この時に成長ホルモンが大量分泌され、筋肉修復と脂肪燃焼が促進されます。

レム睡眠(浅い眠り)

脳は動いていますが、筋肉の緊張は完全に抜けている状態。ポージング練習やダンスレッスンの「動きの記憶」がこの時間に脳に定着します。感情の整理も行われます。

典型的な90分睡眠サイクル

0分
入眠
90分
1サイクル終了
ステージ1: 浅いノンレム睡眠(0-10分) 入眠期

覚醒から睡眠への移行期。まだ外部刺激に反応しやすい。体温がゆっくり低下し始める。

ステージ2: 中程度のノンレム睡眠(10-30分) 軽い深い眠り

脳波がさらに遅くなり、外部刺激への反応が減少。体温が大きく低下。睡眠の大部分がこのステージ。

ステージ3: 深いノンレム睡眠(30-60分) ★最も重要★

最も深い眠りの段階。 成長ホルモンが大量に分泌される黄金の時間。筋肉の修復、脂肪の燃焼、免疫機能の強化が最大限に行われます。

✓ 成長ホルモン分泌ピーク(筋肉修復・脂肪燃焼)
✓ 深部体温が最も低い
✓ 外部刺激にほぼ反応しない

重要:最初の90分サイクルで最も深いノンレム睡眠(ステージ3)が現れます。この時間を確保することが、減量期のコンディション管理において最も効果的です。

ステージ4: レム睡眠(60-90分) 浅い眠り

脳は活発に動いているが、筋肉は完全に弛緩。目が動く(REM = Rapid Eye Movement)。

✓ 記憶の定着(ポージング練習の動きなど)
✓ 感情処理と心理的ストレス解放
✓ 脳の活性化と情報整理
最初の90分が最も重要

入眠直後の最初の90分(最も深いノンレム睡眠)をどれだけ深くできるかが、睡眠の質を決定し、身体の回復と成長に大きな影響を与えます。深部体温が急激に下がるタイミングで強い眠気を感じるため、就寝前の入浴や環境調整が重要です。

睡眠不足が身体に与える影響

睡眠の仕組みを理解していくと、なぜ睡眠不足がコンディションに影響しやすいのかが、少しずつ見えてきます。

減量期に感じやすい「筋肉が落ちている気がする」 「脂肪の落ち方が鈍い」 「食欲がコントロールしにくい」
といった変化は、実は睡眠とも深く関係しています。

ここからは、筋肉・脂肪・ホルモンの観点から、どのような変化が起きているのかを見てみましょう。

筋タンパク質合成の低下(MPS)

睡眠不足の状態では、筋タンパク質合成(MPS)が約18%低下するといわれています。その結果、筋肉の分解が進みやすくなり、ハードにトレーニングをしていても、除脂肪体重の維持が難しくなることがあります。

脂肪燃焼効率の低下

カロリー制限下で睡眠時間が不足すると、体重減少のうち「脂肪が占める割合」が約55%低下し、逆に「筋肉の減少割合」が約60%増加した、という報告もあります。睡眠の状態によって「落ちる中身」が変わってしまう可能性があるということです。

食欲調節ホルモンの乱れ

睡眠不足になると、満腹ホルモン(レプチン)が低下し、空腹ホルモン(グレリン)が上昇します。その結果、特に高炭水化物・高脂肪な食べ物への欲求が強くなり、ダイエットの継続を困難にします。

コルチゾールとウエスト周りの脂肪

睡眠不足によるストレスでコルチゾールが高い状態が続くと、特にお腹周りの脂肪細胞が影響を受けやすくなります。全体は絞れてきているのに「ウエスト周りだけが残る」と感じる一因になることもあります。

睡眠不足は、筋肉・脂肪・ホルモンすべてに影響し、コンディション全体を左右します。
そして多くの場合、それは意志の問題ではなく、身体の自然な反応です。

減量期における睡眠の乱れの原因

睡眠不足が身体に与える影響を理解したうえで、次に気になるのが「なぜ減量期はこんなにも眠りにくくなるのか」という点だと思います。

実際にこれは、減量という特殊なコンディションの中で、身体と心の両面にさまざまな変化が起きているためです。
次は、睡眠の質に影響しやすい主な要因を見ていきましょう。

エネルギー可用性の低下(LEA)

カロリー摂取が大きく制限されると、身体は「エネルギーが足りていない状態」と認識します。その結果、ストレス反応が高まり、交感神経が優位になりやすくなります。 これにより、・寝つきが悪くなる・途中で目が覚めやすくなるといった変化が起こりやすくなります。

ホルモンバランスの変化

体脂肪率が大きく低下すると、エストロゲンなどのホルモンバランスにも影響が出てきます。これが体温調節や睡眠リズムに影響し、眠りの質が不安定になることがあります。

心理的ストレスと不安

コンテストに向けたプレッシャーや、食事制限による空腹感、「もっと絞らなければ」という思いなどが、無意識のうちにストレスとなることもあります。こうした状態では、身体がリラックスしきれず、眠りに入りにくくなることがあります。

トレーニングや生活リズム

早朝や夜遅い時間のトレーニング、カフェインの摂取タイミングなども、睡眠リズムに影響する要因になります。

このように、減量期は睡眠が乱れやすい要因が多く重なる状態にあります。
ただし、その状態が長く続くと、徐々にコンディションへ影響が出てくる可能性があります。
以下は、その状態を図で示したものです。

01. 睡眠不足(5-6時間以下)

毎晩の回復が十分に行われない状態

02. ホルモン分泌の異常

コルチゾール↑ / テストステロン↓ / レプチン↓

03. 代謝と食欲の乱れ

脂肪燃焼効率の低下 / 空腹感の増加 / 食欲コントロールの難しさ

04. 身体組成のへの影響

筋肉分解↑ / 脂肪蓄積↑(特にウエスト周り)

05. パフォーマンス低下

集中力低下 / 疲労感増加 / トレーニング効率の低下

06. さらなるストレス

コンディション不安 → 睡眠の質がさらに低下
↑ ループに戻る
この悪循環を断ち切るためには、睡眠を“優先事項”として位置付け、意識的に改善戦略を実行することが不可欠です。

実践的な改善戦略

ここまでで、睡眠が乱れる原因や身体への影響について見てきました。では実際に、どう整えていけばいいのか。
減量期の中でもできる工夫は、しっかり存在しています。すべてを一度に変える必要はありませんので、できそうなものから少しずつ取り入れてみてください。

ここでは「栄養」「サプリメント」「環境」の3つの視点からご紹介します。
栄養の工夫

就寝前のカゼインプロテインの摂取

カカゼインプロテインのように吸収のゆるやかなタンパク質は、睡眠中(約7〜9時間)を通して血中アミノ酸濃度を維持しやすくなります。夜間の筋タンパク質合成(MPS)をサポートしつつ、筋分解を穏やかにする働きが期待できます。カゼインプロテインのほか、ギリシャヨーグルトやカッテージチーズなども選択肢になりますが、消化の負担を考えるとプロテインドリンクのような液体が取り入れやすいでしょう。※総カロリーとのバランスを見ながら調整してください

カフェイン・刺激物の摂取タイミングを見直す

プレワークアウトや脂肪燃焼系サプリメントに含まれるカフェインは、トレーニングや代謝には有効ですが、摂取タイミングによっては睡眠に影響します。使用はできるだけ朝〜昼の時間帯にとどめ、無意識の過剰摂取を防ぐためにも、摂取量を把握しておくと良いでしょう。

電解質バランスを整える

減量期は発汗量や有酸素運動の増加により、ナトリウムやカリウムなどの電解質が失われやすくなります。 これらのバランスが崩れると、筋肉の過度な興奮や違和感、夜間のけいれんなどにつながり、眠りを妨げる一因になることがあります。 日中の食事や水分補給の中で、電解質を意識的に補うことが大切です。

サプリメント(必要に応じて)

マグネシウムグリシネート
200-400mgを就寝1時間前に摂取。神経系の興奮を鎮め、リラックス効果をもたらします。

アシュワガンダ
ストレスへの適応を助け、コルチゾールの調整や睡眠の質のサポートが報告されています。

メラトニン
体内時計のリズムを整えるサポートとして使われることがあります。※体質により合う・合わないがあるため、少量からの使用がおすすめ。

テアニン・GABA
脳の興奮を鎮め、入眠をスムーズにし、中途覚醒を防ぎます。

睡眠環境(睡眠衛生)
  • できる範囲で、就寝・起床時間を一定にする
  • 寝室は「暗く・静かに・やや涼しく」(目安:18〜22℃)
  • 就寝1時間前からスマホや強い光を抑え、リラックスする時間を作る
  • カフェインは就寝6-8時間前まで、アルコールは就寝前には避ける
  • 朝は軽く日光を浴びる(体内時計のリセットに有効)
  • 就寝90分前に入浴を済ませ、深部体温を効率よく低下させる

最後に

睡眠は、少しの工夫でも変化が現れやすい要素です。そしてその積み重ねが、最終的なコンディションの差につながっていきます。無理なく、自分のペースで整えていきましょう。

次回は、私自身が減量期に実際に行っていた具体的な方法について、より実践的な視点でご紹介していきます。
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この記事を書いた人

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